World Odyssey 地球一周旅行

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アラスカ・デナリ国立公園から始まった私たちの旅。
目指すは、地球のでっかい景色に出会える場所。そしてお仕着せでなく、できるだけ自分たちの力で楽しめる場所。
そんな私たちの希望をかなえた地球探訪のデータをまとめてみました。旅のヒントに使ってください。
※データは訪れた時点の情報をベースにおこしています。




[17] ペルートレッキング ブランカ山群編


▼遊びかた

リマから約400キロ北。ペルー最高峰ワスカランHuascara'n(6,768m)を有するブランカ山群CordilleraBlancaは、南北約180キロにのびる広大な山地で、そのほとんどがワスカラン国立公園ParqueNacionalHuascara'nに指定されています。その面積34万ヘクタール。公園内にはブランカ山群(白い山脈)という名のとおり、なんと663もの氷河があります。氷河好きな私たちが行かないわけにはいきません。
広大なエリアですから遊び方は様々。私たちのように、高峰を囲むように谷から谷へと歩く長期間のトレッキングから、手軽なミニトレッキング、専門の技術を必要としたクライミングや登山、マウンテンバイクでのトレックなどなど。中心となるワラスという町にはそれらをサポートする会社がたくさんあります。
ツアーに参加することがイマイチ好きではない私たち。ここブランカ山群でも、何とか自分たちの力で歩いてみたいと思い、ワラスでいろいろ話を聞き計画を立てました。ここでは私たちが歩いたアルパマヨ・サーキット(勝手に命名)をメインにブランカ山群でのトレッキングについてご紹介します。



・ブランカ山群の地図はこの会社のホームページがとてもわかりやすいです。
Andean Explorer Peru
http://www.andeanexplorer.com/english/chp5.htm
「Quebrada de los Cedros, Santa Cruz, Llanganuco & Ulta」という地図を見てみてください。
ギャラリーコーナーではこのあとご紹介する写真家ビクトルとそのお兄さん(Victor Escudero Minaya
&Luis Escudero Minaya)の撮った素晴らしい写真を見ることができます。ぜひ。
その他トレイル情報なども丁寧でわかりやすく書いてあります。



・ワスカラン国立公園の入場料は、日帰りの場合1日ひとり5ソル(約175円)。
トレッキングなど2日以上の滞在になると、全期間でひとり20USドル(約2,100円)に跳ね上がります。
ただし、このルールはメインのトレイルになるヤンガヌコ湖近くのゲートでの話だそう。ここを通過したトレッカーはヤンガヌコ湖日帰り客でない限り無条件で20USドル徴収されているようです。


・今回参考にした本はありませんでした。ワラスの町に着いてから、旅行会社をまわるなどして現状調査を開始。土産物店をまわって絵はがきや写真集を眺めていると、あることに気づきました。それは「世界一美しい山」(1966年に開かれたコンテストで選ばれたそう)と言われているアルパマヨAlpamayo山に2つの顔があるということ。人気のトレイルであるLlanganuco-Santa Cruzコースを歩くことにほとんど決まりかけていた私たちでしたが、実はそのトレイルから眺めるアルパマヨの姿に「どこが世界一やねん……」と思ってしまいました。もう一方の顔である西面はなんとも美しいピラミッド型。「これだっ!」と思ったものの、どうやって行ったらいいのかまったくわからない状態でした。そこで相談に行ったのが宿の近くあったビクトルのギャラリー。そこにいたビクトルはブランカ山群やワイウァシュ山脈Cordillera Huayhuashを撮り続ける地元在住のカメラマンです。「アルパマヨのピラミッドを見たいんだけど」と話すと、彼は目をキラキラさせてルートの相談にのってくれたのでした。もちろんツアーもガイドも必要なし。私たちのスキルでなんとか行けそうだったので、彼の教えてくれた情報と地図を頼りに歩いてみたのでした。

私たちの希望は「アルパマヨ山西面のピラミッドを見たい!」ということ。それにはQuebrada de los Cedrosと一般に呼ばれているルートから入っていくことになります。実際Quebrada de los Cedrosは数百メートルの段差がある崖をいくつも持つV字谷なので、谷の出口であるlos Cedrosの集落からは入っていくことができません。そこでゲートになるのがワルカヤンHualcayanという集落。ここからQuebrada de los Cedrosを見下ろす場所まで上がりQuebrada de los Cedrosの上流に広がるQuebrada AipamayoのU字谷に入ります。そのまま谷の奥に進みアルパマヨ西面を目にするまで片道3日の道のりです。そのまま戻る単純往復のコースもいいのですが、せっかく6〜7日かけて行くのなら、サーキットにして他の場所も見たら?というビクトルのアドバイスを受けて決めたのが、今回歩いたアルパマヨ・サーキットの行程。アルパマヨ西面を眺めたあとはそのまま東進し国立公園の境界を越え牧民が暮らす集落をいくつか過ぎます。その後南に進路を取りふたたび国立公園内に入ります。ここからは人気のSANTA CRUZ → LLANGANUCOルートと合流。サンタクルス谷を出口まで抜けカシャパンパの集落まででちょうど1周という具合です。


ロンプラのセントラルアンデス版がありますが、このルートが載っていたかは不明です。
lonely planet 『Trekkinng in the CENTRAL ANDES』


・南米のトレッキング情報が比較的充実している、と言われているのが『FootPrint』というガイドブック。私たちが見たFootPrintにはブランカ山群のトレッキングについてメジャーなトレイルの概要はだいたい網羅されていました。興味がある方は探してみてください。




・ワラス周辺の情報源(たぶん公共機関のもの)
Huaraz.Info
http://www.huaraz.org/


    アルパマヨ西面
アルパマヨ西面
ビクトルと
ビクトルと
     ※↑写真をクリックすると拡大します。





▼アクセス

・ゲートとなる町ワラスへはリマからバスで向かうのが一般的。シーズン中は1日数本出ているようです。私たちが利用したMovilToursはペルーの中でも一番快適だったバス。本数も多いしオススメです。夜行便で動いて宿代を節約してもいいですし、昼行便で景色を楽しみながら動いてもok。


・私たちが歩いたアルパマヨ・サーキットのトレイルヘッドはワルカヤンHualcayan(上記でご紹介した地図の左端に小さく載っています)。ワラスからまずはコレクティーボでカラスCarazまで向かいます。カラスからワルカヤンまでバスが出ていることもあるそうですが私たちの時は無かったので、カラスからまたコレクティーボになります。コレクティーボが走れるのは途中のワンカルゥワスHuancarhuasまで(高いですがタクシーなら別の道でワルカヤンまで行けます)。ここからワルカヤンまで3時間ほど歩くことになります。コレクティーボの運転手はワンカルゥワスからワルカヤンまで1時間だと言いましたが大嘘でした。

・他ブランカ山群西側のゲートになる町Yungay、Mancos、Carhuazなどへもコレクティーボが頻繁に走っています。


こちら⇒ 「旅の情報>移動手段>パタゴニアからスタート!南米編」
にもバスの情報をアップしてあるので見てみてくださいね。




▼キャンプ情報

・アルパマヨ・サーキットは基本的に10泊11日で歩くことができます。

1日目:Hualcayan(3,139m) 国立公園の看板も立った立派なキャンプ場。でも設備は何も無し。水場は近くにあり。ここに住む担当係官のウーゴはとてもいいおっちゃん。私たちも彼の親身なアドバイスに従って1日目だけロバをお願いしました。このゲートから入る場合カシャパンパCashapampaかワラスで国立公園の入場料5ソルを払わなくてはいけなかったそうです。

2日目:Laguna Cullicocha(約4,600m) このコース中最高所。コバルトブルーの湖そばです。トレイル途中から水路が見えてきますがキャンプ場そばにその管理棟があります。ここにひとり住んでいるのがハビエル。彼もまたいいおっちゃんです。水については特に問題ないですが水量が減る時間があるそうでハビエルに聞いた方がいいかも。サンタクルス・ノルテがめちゃきれいに見えます。

3日目:Ruina Pampa(4,025m) 名前の通り遺跡を利用したキャンプ場。もう少し先カラカラ峠PasoCaraCaraから流れる川との合流地点まで行くようビクトルには教えられていましたがここで断念。そこまで行くとアルパマヨの先っちょが見えます。

4日目:Laguna Jancarurish上(約4,500m) ラグーナ脇のモレーンを登り、さらに数百メートル上がったところにあるキャンプ地。寒いけれど裏サンタクルスの勇壮な姿をバッチリ拝めるスゴイ場所。2連泊を勧められただけあります。

5日目:Laguna Jancarurish下(約4,200m) アルパマヨをたっぷり見たかったので下りてきた場所。正面にアルパマヨが見えます。大雨が降らなければたぶん大丈夫な場所。キャンプ跡なども見て慎重に決めてください。

6日目:Huillca(4,000m) エベルスを筆頭に5人兄弟の住む1軒家だけがぽつんとある場所。彼らとの交流も楽しみのひとつ。

7日目:Janca Pampa(3,500m) 畑もする牧民の集落があるJanca Pampa。プカヒルカPucajircaの氷河がどどーんと迫るすごい場所。標高も比較的低いので暖かく感じます。

8日目:Laguna Huecrucocha下(3,900m) 地図通り行くと橋があるはずなのに見つけられず、本来のキャンプ地の対岸でキャンプを張った場所。Tupatupaの峠を越した後は早めに渡っておいたほうが良さそう。

9日目:Lagunas Morococha(4,300m) 寒い!水がない!(あるけど干からびかけの湖でちょっと心配)と厳しいキャンプ地ですが、PuntaUnionに早く着くためにはこれくらいの場所の方がベター。水を汲んでから行った方が安心です。

10日目:Laguna Icchicocha(3,900m) もう少し先まで行くとブラックフライタイプのうっとおしい虫がたくさんいるので、このあたりがギリギリの場所。余力があればタウリパンパTaullipampaで泊まった方が景色はよいです。



私たちが泊まったキャンプ場の情報は
こちら⇒ 「旅の情報>泊まった宿>パタゴニアからスタート!南米編」
にもキャンプ場の情報をアップしてあるので見てみてくださいね。


    Hualcayanの看板
Hualcayanの看板
3日目にビクトルから勧められていたキャンプ場
3日目にビクトルから勧められていたキャンプ場
私たちが力尽きたルイナ・パンパ
私たちが力尽きたルイナ・パンパ
アルパマヨ正面
アルパマヨ正面
9日目のモロコーチャ
9日目のモロコーチャ
     ※↑写真をクリックすると拡大します。




▼アクティビティ情報

・私たちが歩いたルート アルパマヨ・サーキットCiruicuit Alpamayo
購入した地図には以下のルートもトレイルとして示されています。

1日目:Huaraz(3,090m)→ Hualcayan(3,139m)  基本的に移動日。予想外にワンカルゥワスHuancarhuasから3時間歩いてHualcayanに入ることになったけれど、体慣らしにはちょうど良かったかも。

2日目:Hualcayan(3,139m) → Laguna Cullicocha(約4,600m) 最大の難所(と言いつつ、このあと毎日難所だったけれど)。1日で1,500メートル近い標高差を一気に登るため、高度障害に注意。私たちも前日にロバの手配を決定。手ぶらで歩きました。そのせいか意外にラクチンで早く着いてしまいました。荷物があったらかなり厳しかったはず。

3日目:Laguna Cullicocha(約4,600m) → Ruina Pampa(4,025m) 2つの峠を越えるまたもや難所。Paso Osoruri(4,860m)とふたつ目の峠Paso Vientunan(4,770m)。こう見るとふたつ目の峠なんてぷーのようですが、Osoruri越えたあと見上げるVientunanの高いこと。なめちゃいけません。

4日目:Ruina Pampa(4,025m) → Laguna Jancarurish上(約4,500m) いよいよアルパマヨ西面のピラミッドとご対面。4日がかりです。そのままLaguna Jancarurishのふもとまで歩き、モレーンを上がっていきます。さらに数百メートル急な斜面を登ると裏サンタクルスがどどーんと待っています。左手に見える大きな岩のふもとあたりがおそらくベースキャンプ。

5日目:Laguna Jancarurish上(約4,500m) → Laguna Jancarurish下(約4,200m) 朝NevadoSantaCruzのふもとまで歩く。ベースキャンプからだとアルパマヨのピラミッドは見えなかったので下山。モレーンを下りたところにある三角州のような場所でキャンプ。

6日目:Laguna Jancarurish下(約4,200m) → Huillca(4,000m) 長い長い帰り道のスタート。まずはPasoCaraCara(4,830m)。標高差約600メートル。かなりキツイです。峠を越えたあとは500メートルほど一気に下り、さらに広大なU字谷Quebrada Tayapampaを縦断。そして100メートルほど再び登りふたつ目の峠PasoMesapata(4,460m)を通過(ここで迷いました)。さらに200メートルほど一気に下ると道登場。道なりに進んで現れた橋のそばがHuillca。

7日目:Huillca(4,000m) → Janca Pampa(3,500m)  Quebrada Yanta Quenuaの底を除々に高度を上げつつ奥まで進む。250メートルほど一気に登り、今日の峠Paso Yanacon(4,610m)を通過。400メートル一気に下り、しばらくモレーンの丘(氷堆丘?)の脇を徐々に下る。次第に狭くなるQuebrada Yanajancaの途中でU字谷が終わり、大きな段差のあとV字谷状に地形が変化する。もうひとつ大きな段差を下ると谷の出口のJanca Pampa。

8日目:Janca Pampa(3,500m) → Laguna Huecrucocha下(3,900m) Janca Pampaを出口に向かってしばらく進み、今日の峠Paso Tupatupa(4,360m)のある谷を目指す。谷の入り口にある集落ではトレイルが錯綜(というかただの生活道路)。目指す谷に入ってからは400メートルほど徐々に高度を上げていく。峠を越した後はQuebrada Tuctubambaへ入り進行方向右岸へ(早めに)渡る。2つめの橋を渡ったあたりがキャンプ地。

9日目:Laguna Huecrucocha下(3,900m) → Lagunas Morococha(4,300m) 湖脇まで200メートルほど一気に登りしばらくは谷の底を徐々に高度を上げていく。地図では谷の底にトレイルは下りていなかったが、トレイルが消え迷っていると、牧民のおじさんが谷の底へ下りろと遠くから指示を出してくれる。その通り進み、壁のような斜面を登り本日の峠Alto de Pucaraju(4,640m)を越える。峠からは楽勝に見えるLagunas Morocochaへの道だが一度、谷Quebrada Huaripampaの底へ下りてふたたび150メートルほど上がるのでけっこうしんどい。

10日目:Lagunas Morococha(4,300m) → Laguna Icchicocha(3,900m) ここからは人気のSANTA CRUZ → LLANGANUCO コースとかぶるルート。目の前に立ちはだかる壁を登ると最後の峠Paso Punta Union(4,760m)。このまま行けるところまで行く。

11日目:Laguna Icchicocha(3,900m) → Huaraz(3,090m) 下界を夢見てCashapampa(3,000m)まで歩くのみ。

※トラブルがあった場合には7日目のJanca Pampaから近くの町Pomabanbaまで抜ける案もありました。もしくは6日目のHuillcaからでもPomabanbaに抜けることができます。Pomabanbaからワラスまではコレクティーボがありますが、道路状況が良くないのであまり積極的に利用するのはやめた方がいいようです。Pomabanbaフィニッシュの場合、もう1日回り道をしてヤイノ遺跡RuinasYainoに寄る案もありました。インカの美しい遺跡だそうです。


    5日目。サンタクルスのふもとへ
5日目。サンタクルス
のふもとへ
同じく5日目。アルパマヨ正面に
同じく5日目。
アルパマヨ正面に
7日目のウィルカにて
7日目のウィルカ
にて
8日目ハンカ・パンパ
8日目ハンカ・パンパ
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ほか代表的なトレイル
・SANTA CRUZ → LLANGANUCO (4日間)
 Cashapampaからサンタクルス谷Quebrada SantaCruzへ入り、PuntaUnionを通過し、バケリアVaqueriaから車でLlanganucoを通過してワラスに戻るルート。逆回りLlanganucoスタートですべて歩くと7日間近くなるそうです。今では少しずつ標高を上げていけるので難易度が低いとかで、上記4日間のルートが一般的。ツアーも毎日出ている人気のルート。私たちも最終2日間は同じルートを歩きました(せっかくなのでメジャールートにも入ろうと計画した)。歩いた感想から行くと「え?これだけ?」。目玉であるアルパマヨもサンタクルスもめっちゃ遠い。サイドトリップを追加して近くまで見に行かないと物足りないかも。サンタクルス谷は美しかったです。

・OLLEROS → CHAVIN DE HUANTAR (5日間)
これはリャマを使って行けるトレイルのよう。楽しそう。

・QUEBRADA ISHINCA (3日間)
これはビクトルもオススメしてくれたルート。ツアーやガイドはいらない、でも単独だし……という人にもお勧め。ここはレフヒオ(RefugioIshinca:4,350m)があるので荷物が少なくてすみます。レフヒオまで1日。中1日を周辺の散策にあてて全部で3日間。Urusの眺めが素晴らしいらしい。

・QUEBRADA HONDA または QUEBRADA ULTA
QUEBRADA HONDAはCopaやVicosとUrusの間を行く谷。このあたりの景色は遠くから眺めるだけでしたがなかなかよかった。QUEBRADA ULTAははワスカランとUltaの間を行く谷。どっちもきれいだろうなー。それぞれ3日間ぐらいで歩けそう。

・CORDILLERA HUAYHUASH
世界10大トレイルのひとつだとか。人気のトレイルですが残念ながら、トレイル上に賊が出るそうなのでツアー参加がベターとのこと。1周すると12〜14日、半分まわると1週間ぐらいだそうです。





▼持っていくと便利なもの

・買った方がいいもの
生分解できる洗剤(洗剤が必要なら。私たちは不要派になりました)

地図(なんとペルー製はなくオーストリア製。なので高いです。48ソル。店によって微妙に値段が違います。私たちの買ったブランカ山群「北」バージョンは、アルパマヨ・サーキットからQUEBRADA HONDAの一部までカバー)、エリア図(これもブランカ山群全体を把握するのに便利なもの。こっちは数百円程度だったはず。町のどこにでも売っています)

    長期間なので補強をしてから出かけると便利
長期間なので補強をして
から出かけると便利
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水浄化剤(ペルーではあちこちに家畜がいるので川の水は直接飲まない方が賢明。MicroPureという錠剤を入れるのが一般的。1粒で1リットル分。25粒入りで13ソル[約450円]くらい。どこの薬局にもあります)


高度障害用の薬(私たちが高度障害用に準備した薬をご紹介します)

1.Paracetamolという成分を使った鎮痛薬 ←頭痛などに使えます。胃に優しいと言われているイブプロフェンを使った鎮痛薬でも高度障害で弱った胃にはかなりダメージを与えるらしく、Paracetamolという成分を使った薬なら空腹時に飲んでも大丈夫なほど胃に優しいと聞きました。300mgと500mg含有があるよう。私たちはチリ、アルゼンチンでも見かけた大型ドラッグストアのチェーン店「boticas Fasa」オリジナルの薬「Parcol Capsulas 300mg」を買いました。10錠で6ソル(約210円)ほど。他にはカフェイン35mg、Clorfenamina Maleato 2mg。未確認ですが、一般の風邪薬では逆に症状が悪化してしまうデング熱にも、この薬なら解熱の効果は果たせるとのこと。

2.胃の膨満感を解消する薬 ←膨満感を甘く見ると大変です。トレッキングの続行不可能になります。ということで私たちが用意していたのはPancreatina(170mg),Dimetilpolisiloxano(80mg)を含んだ薬。「Pankreoflat」という薬です。胃の消化剤も用意しようとしましたが必要ないというアドバイスをもらったので購入せず。6錠入りで5.46ソル(約191円)

高山病(スペイン語でSolocheソローチェと言います)用の薬も売っていますが、それよりピンポイントで効く薬を持て行った方がいい、というのが私たちの結論でした。また高山病の解消用にコカキャンディーが売っていますが、私たちにはいまいち効果なし。舌が激しくしびれましたが。

3.コカの葉(薬じゃないけど)

キャンディーよりやっぱり100倍使えます。コカ茶にして飲んで、峠を越える前などには噛みながらなどなど。乾燥している葉は使いにくいです。質も産地によっていろいろあるようなので、ケチらずに買った方がいいかも。私たちは、コカの葉にAnisというハーブティーバッグをあわせて飲んでいました。これかマンサニージャMansanilla(カモミール)がコカ茶にはあうみたい。


    必需品
必需品
見るからに膨満感用
見るからに膨満感用
よく効く
よく効く
悪い感じがよく出ている
悪い感じがよく出ている
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・あった方が便利なもの、楽しいもの
虫除け&かゆみ止め(最後の最後サンタクルス谷の出口でめちゃくちゃ必要になります)


・私たちが他に持っていったもの
雨具(完全防水。上はゴアテックス使用、下はそれに近い素材)上下、テント(Eureka!の Backcountry:約2キロ)、シュラフ(日本の3シーズン用)、シュラフカバー(透湿性が高いタイプのもの)、マット(空気を入れるタイプのもの。フルサイズ)、キャンプストーブ(MSR WisperLiteInternational)、食器類(鍋1.5リットルひとつ、アルミ鍋セット[皿として使用各1]、スプーン・フォーク各2、コップ[日本からステンレスタイプのものを持参:各1])、ナイフ(VictorinoxCampingタイプ各自)、エマージェンシー・シート、エマージェンシー・ホイッスル、方位磁石、トイレセット(ジップロックに紙とビニール袋、ライター)、懐中電灯(マグライト)、ダックテープ(ガムテープ:靴擦れにも使えます)、ザックカバー、水筒、防寒着(厚手のインナー、インナータイツ、ダウンジャケット、ダウン状パンツ、手袋、ニットキャップ)、着替え(靴下、Tシャツ)、手ぬぐい、軍手、洗面道具、ビニール袋、日記、ボールペン、常備薬、カメラ用電池のスペア(単3電池各4本)、予備のコンパクトフラッシュ

 ★ガソリンについて……私たちが持っているのはMSR650mlのタンク。だいたい満タンで3日間くらい(毎日朝1リットルのお湯、夜1.5リットル分のお湯+パスタ茹で用に3分使用)余裕で持ちます。ガソリンスタンドはホントどこの町でもありますし、ホワイトガソリンもどこでも売っています。スペアのガソリンの持ち運びについては諸説あるのでここでは触れません。 ←今回は高所だったので1.5リットル持っていって1.2リットルぐらい使いました。気温が低いせいもありますが減りが早かった!


   トイレのあと始末がひどかった例。どうかこんなことが無いように紙は持って帰りましょうね
トイレのあと始末がひどかった例。
どうかこんなことが無いように
紙は持って帰りましょうね
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・私たちが持っていった食料(10泊11日分。今回は予備分2日分)

朝食:オートミール12食分、粉ミルク(6リットル分)、砂糖、インスタントコーヒー

昼食:クラッカーのSalvadoタイプ。このクラッカーにドゥルセ・デ・レチェをかけて食べます。だいたい1本260gで2食分。今回は12食分なので6本+予備ですが、ちょっと飽きてきたので6日分はパウンドケーキを持っていくことに。3本で1.2キロ。これにクラッカー4本。

夕食:パスタ(Cabello de Angelカベジョ・デ・アンヘル)を、ひとり1食100グラム。今回は12食分なので2.4キロ、パスタソース(インスタントのスープの素:10袋。予備分のパスタは素で食べるつもりだった)、ミニサラミ4本(計100グラムぐらい。1日半分のつもり)、袋入りツナ1袋

おやつ:チョコレート3枚、クッキー4本(3日で1本程度のイメージ)、スニッカーズ3本、ドライフルーツ(桃、リンゴ、プルーン)、ドゥルセ・デ・レチェ1本、キャラメル1袋

今回は長期間になるので1日1錠×10日分のビタミン剤も持っていきました(20錠で32ソル)


   12日分もの食料
12日分もの食料
そして糖分
そして糖分
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・現地で買える持っていくと便利な食材(ペルー編)
ペルーでもチリ、アルゼンチンとほとんど同じものが買えます。特にクスコ、ワラスでは外国人旅行者向けにスーパーがあるので割高ながら困ることはないと思います。それでもチリ、アルゼンチンより割安な印象でした。

オートミールAvena:調理不要Instantaneaタイプのもの。クォーカー社製品もありましたが割高。で、地元ペルー産のものを買ったらこれが全然インスタントタイプじゃない!それにゴマばっかり。ま、いい経験ですが。

粉ミルク:ちょっと高めですがネスレのNidoを買った方が結局お得なのですが、ペルーには大人用Nidoはありませんでした。なのでサルカンタイトレッキングの時に飲んでいてまあまあだったこのミルクをチョイス。安いのは量が必要になるのでケチらない方がベター。だいたいひとり1日250ml分くらい必要。

砂糖:最初に1キロ購入。普段はまったく砂糖を取らない私たちですが、トレッキング中は朝食用に使います。1キロで2人分約4ヶ月もちました。

クラッカー:クラッカーGalletita(Galleta)はいろんな種類が売っています。私たちはSalvadoタイプ(もみ殻という意味。日本語で言うと全粒粉タイプ?)、ARCOR社のHOGREN~AS SALVADOというのがお気に入り。ペルーにもありました。おそるべしArcor。

ドゥルセ・デ・レチェDulce de Leche:アルゼンチン、チリでよく食べられている練乳(ペルーではマンハールManjarと呼ぶことの方が多いかも)。めちゃ甘なので非常食としても。私たちは昼食にクラッカーにつけて食べていました。だいたいポット型の容器に入っていて使いにくいので、私たちは最初に買ったチューブタイプに詰め替えて繰り返し使用。ペルーでは1回分に小分けになったタイプも売っていました。

パスタpasta:カナダでも使ったエンジェルヘアーを採用。スペイン語でCabello de Angelカベショ・デ・アンヘルです。これは3分でゆであがるタイプ。お世辞にも美味しいとは言い難いけれどガソリンを節約できて、すぐに茹であがるのが魅力。ペルーでは普通のパスタと同じスタイルで。ただし、高所で茹でるととんでもなくドロドロになります(涙)。

パスタソースPolvo de Sopa:チリではマギー社製品が圧倒的シェア。いろいろな種類の粉タイプスープの素があります。オススメはクレマ・デ・トマテCrema de Tomate。これを使えばほとんどトマトソースです(プエルト・ナタレスでは見つからなかった)。本当は水から煮立てないといけませんがパスタを茹でた茹で汁に入れるだけでOKです。ダマに要注意。他にはポショPollo(鳥)やチョクロChoclo(とうもろこし)などクリームタイプもあり。今回は寒かったのでクリームタイプの方がおいしく感じました。

サラミsalami:スライスしてビニールパック詰めされたのも売っていますが、手が汚れたりめんどうくさしゴミが出るので、カラカラに乾いたタイプのサラミがベスト。ワラスではおつまみサラミのような小指くらいのちいさいものしか売っていませんでしたが、無いより全然マシ。

ドライフルーツFuruta Seca:だいたいどこの店にも置いてあります。よく見るのはモモDurazno、干しぶどうPasa、干しパインPin~aなど。少し割高ですが便利な品。ナッツ類も高いけれど手に入ります。アーモンドAlmendraやクルミNuez、ピーナッツMani'などなど。メルカドにもあります。


※Supermercadoはメイン通りのAv.Luzuriago沿いAv.Antonio Raimondiとの交差点そば。メルカドはそこから西へ2ブロック行ったところにあります。イスラエル人が必死で値切っていたりしておもしろいです。

   高地で茹でると沸点が低いのでパスタもどろどろになります
高地で茹でると沸点が低いので
パスタもどろどろになります
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▼私たちの日程

2005.06.11(1日目) 10時前ワラスを出る。コレクティーボに乗りカラスへ。モトタクシーに乗らないと遠いからとだまされモトタクシーにのり、カシャパンパ行きのコレクティーボ乗り場へ。近かった。ワルカヤンへのバスはやはりなく、コレクティーボでの移動になる。私たち2人以外の乗客が来るまで待つ。羊のトマトソース煮をお昼に食べる。6人に増えたところで出発。14時前ワンカルゥワス着。1時間でワルカヤンに着くと言われたが、地元の子供達は3時間かかるという。歩いてみたら3時間かかった。キャンプ場に着くと子供達が寄ってきてテント設営を手伝ってくれる。ウーゴという係員がやってきて、一応私たちの予定などを聞きノートに書き込む。明日の日程の話になりロバがいた方がいいと真剣に勧められ、明日だけロバを頼むことに。(晴)

2005.06.12(2日目)  6時30分待ち合わせ。ウーゴはあわてて2頭のロバを連れてきた。頼んだのは1頭だけだが、兄弟のロバで離ればなれにすると元気が無くなってしまうので2頭連れてきたという。ヘルマンとイタズラ好きのチャリス。彼らも途中からはよく働き13時Laguna Cullicocha着。高山病の兆候が出てしんどい淳ちゃんはテントでぐったり。私は湖そばの日当たりの良い場所でサンタクルスを眺めながらトランキーロな時間を過ごす。18時過ぎ日没。あっという間に冷え込む。(晴)

2005.06.13(3日目)  5時30分暗いけど起床。淳ちゃんの高山病も何とか大丈夫そうなので、先へ行くことに。朝食を取っている間に水分が付いたものはすぐ凍ってしまう。顔を拭いた手ぬぐいもバキバキになってしまった。7時30分出発。いきなり200メートルの高度差。キツイ。2時間ほどでこなすとサンタクルスを一望できるポイントに立つ。そこから最初の峠まではあっという間。なめてかかると2つ目の峠でぐったり。見えているのに3時間もかかってしまった。13時前昼食を取り再スタート。谷のほぼ底まで約700メートル一気に下るので足がガクガク。もう少し先へ行くはずだったが15時30分RuinaPampaで終了とする。(曇のち晴)

2005.06.14(4日目)  5時30分起床8時スタート。ビクトルの教えてくれたキャンプ地まで近いように見えて3時間。ここから姿を見せ始めたアルパマヨのふところへ入っていく。モレーンの脇を登り、さらに数百メートル登る。谷の底にいてはまったく想像つかなかった景色が現れる。がクタクタのため16時テントを張って本日終了。17時ごろ雨が降り出す。(晴のち曇)

2005.06.15(5日目)  冷え込みがきつく朝周囲を見ると山々は雪景色。明日越える峠も真っ白になっている。7時30分サンタクルスの足元目指して歩き始める。地図通り湿地帯を越えるころ進行方向川の右岸へ渡りモレーンの丘のふもとをすすむ。イヤな予感がしていたがここからのサンタクルスは素晴らしいもののアルパマヨはまた別の角度になる。あくまでもアルパマヨにこだわっていたので、早めに戻りテントをたたんで10時下山。Laguna Jancarurish脇のモレーンの縁でアルパマヨから雲が切れるのを待つ。素晴らしい光景に満足したあとはモレーンをくだり、三角州にテントを設営。アルパマヨを正面から眺める。14時30分。ぽかぽかと陽の入るテントの中からアルパマヨを眺め終了。(曇のち晴)

2005.06.16(6日目)  後半戦スタート。思った以上に冷え込みテントの中までバキバキに凍る。7時30分スタート。モレーンの丘がぽこぽこと残る地点まで約2時間。ここで出発前に見かけた絵はがきと同じアングルであることに気づき、撮影大会になる。遊びすぎたので慌てて出発。10時30分。地道に高度をかせぎ峠通過11時30分。強風のなか岩に身を寄せながら昼食をとり下山。15時すぎ谷の底を縦断し2つ目の峠を目指す。16時15分、道を間違えたことに気づく。ほとんど元の場所まで戻り峠発見。少し登ったところで牛に踏みつぶされたトレイルに惑わされたことが原因。17時峠通過。日の入りまでにキャンプ地着は厳しそうだが今日は谷まで下りれば道路があるのでこれを頼りに歩くことに。19時30分着。暗闇のなかテント設営をし食事をする。ロウソクも頼りない。(晴)

2005.06.17(7日目)  さすがに疲れがたまり寝坊7時起き。エベルスの兄弟たちと遊び、子豚を抱かせてもらって9時スタート。いきなり何でもない小川で石を伝って渡るはずが思い切り滑ってこける。幸いケガはなし。インナースパッツがびしょ濡れ。本日の峠に向かう。谷の奥にそびえる壁のような峠を見てこれを登るのかとびびる。トレイルもわかりにくいが斜面の途中からクリアになっていく。峠通過13時。目の前にPucajircaの氷河がダイナミックに展開。谷の底におり出口を目指すが意外に長い。キャンプ地に着いたのはまたもや日没ギリギリの18時。あわてて食事を作り暗闇のなか食べる。(晴)

2005.06.18(8日目)  Pucajircaの氷河にかかる雲が晴れるのを待つが厳しそうなので8時出発。今日の峠PasoTupatupaの入り口がわかりにくい。集落があるので会う人ごとに聞くのだがみなどの道で行っても「大丈夫」という。一度は民家に入り込んでしまい地元の野菜スープ(オカというイモがメインだった)をごちそうになる。そのまま進行方向川の右側を進むがどうも対岸から反れていく別の谷の方角じゃないかという気がしてくる。近くで畑仕事をしている人に聞くと確かにそうだということなので、来た道を戻り川の対岸に渡りもうひとつの谷へ入る。12時30分。ゆるやかな丘の上が峠。通過は15時30分。またもや日没が迫りつつあるので下山。ギリギリでキャンプ地についたかという18時、あるはずの橋が見つからずに歩いてきてしまったことが発覚。キャンプ地は対岸。少し戻ってみたが橋はなく日も暮れて真っ暗になってしまったのでテントを張ることに。また暗がりの中で食事。よく冷える。(晴)

2005.06.19(9日目)  7時30分出発。ずいぶん戻っても橋がないので飛べそうな場所でむりやり飛んで川を渡る。危うく落ちかける。昨日のキャンプ地の対岸を通過しLaguna Huecrucochaへ。途中青年のトルゥーチャ(ます)猟を見学。順調に谷を進んでいるかと思いきやなかなか谷の奥が見えない。ひとつ丘を越したところでトレイルが消えてしまう。何となく残るトレイルを歩いていると遠くでおじさんが叫んでいる。どうやら谷の底へ下りて歩けということらしいので言われたとおり歩く。13時やっと峠が見える。15時峠通過。峠からはすぐ近くに見えたLagunas Morocochaだがいったん谷の底まで下りてふたたび上がらなくてはいけないのでさらにぐったり。途中淳ちゃんが牛に襲われかける。Lagunas Morococha着またもや日没後。湖がなんと枯れかけで水がほとんど動いていない。明日の飲み水を沸かす。夜中謎の2人組が懐中電灯だけで峠を下りてくる。(晴)

2005.06.20(10日目)  今までで一番寒い夜。片っ端から凍っていく。7時30分発。最後の峠PuntaUnion9時20分着。何とか雲もかからず素晴らしい景色。10時過ぎ雲が増えてきたので下山。Taullipampaでキャンプする予定だったが、Taullirajuも雲に隠れて見えないので先へ進むことに。Llamacorralまで行けたら行こうかとも話していたが、15時30分Laguna Icchicochaで終了。(晴のち曇)

2005.06.21(11日目)  5時起き7時20分出発。カシャパンパまで3時間と言われたが、12時30分着だった。タクシーでカラスまで戻りコレクティーボに乗り換えワラスへ。14時30分着。宿に荷物を置いてモンテレイ温泉へ行く。(晴)


   2日目。ロバのおかげで助かる
2日目。ロバのおかげで助かる
3日目ふたつ目の峠を越えたあと
3日目ふたつ目の峠を越えたあと
裏サンタクルスでいぇーい(!)
裏サンタクルスでいぇーい(!)
後半戦はいつもぐったり
後半戦はいつもぐったり
アルパカはマチャアキ似と判明
アルパカはマチャアキ似と判明
美しいハンカ・パンパ
美しいハンカ・パンパ
プンタ・ウニオンから
プンタ・ウニオンから
たぶんプカヒルカ
たぶんプカヒルカ
サンタクルス谷から見る(たぶん)アルパマヨ
サンタクルス谷から見る(たぶん)アルパマヨ
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▼トレッキングについての覚え書き

水:2日目の2つの峠の間だけは水が無いと言われていました。それ以外は全く問題なし。ただしどんな場所でも牛などの家畜がいるので必ず浄化剤を使った方がいいです。
リバークロッシング:必要なところには地図通り橋があります。ただし8日目の橋、ここだけ見つかりませんでした。が、早めの対処でなんとかなる場所だと思います。
虫:サンタクルス谷にはいます。Laguna Icchicochaを過ぎたあたりからカシャパンパまではひどいです。

高度障害を防ぐために:一般的な高山病予防策は、1日に600メートル以上あがらないこと、高地にあがった日は血行を良くする行動を取らないこと(激しい運動やシャワー)、深呼吸をすること(睡眠は呼吸数が減るので注意)、消化の悪いものは食べないことなどがあげられると思います。それ以外に、トレッキング中に気を付けるとラクになることをピックアップしました。

 登りの時:いつも以上に呼吸のリズムを乱さないように気を付ける。口から吸わず必ず鼻から息を吸うこと。息が乱れてきたら、呼吸のリズムが乱れない程度の歩幅に変えること(私は牛歩よりひどい時がありました。それでも先に進むものです)。
 下りの時:意外と呼吸が止まっていたりするので、呼吸のリズムを乱さないようにすること。下りの時の方が頭痛が起きやすかったりします。

 どちらも頭痛の前兆を感じたら、できるだけ深い深呼吸を繰り返すと症状が和らぎます。コカ茶、コカの葉はかなり効果的なはず。積極的に摂取した方がいいと思います。

トレイル:国立公園内は重要な場所には看板が立っています。トレイルもはっきりしています。あやしくなるのは8日目から。暮らしている人たちが生活用に使っている道なので、1本道にならず縦横無尽に走るのです。特に峠のふもとなどで顕著。入り口がわからず迷っているといつの間にかはっきりしてきて1本の道になって峠を越し、またしばらく下りるとあちこちにトレイルが走り出し不鮮明になる、という具合です。地形をみながら自分で判断して進むしか手は無さそう。

寒さ対策:4,000メートルを超えると朝晩の冷え込みはハンパではありません。防寒対策は十分に。私たちはエアマットの空気がすぐ抜けてしまうようになったのも大きいですが、底冷えがひどくバックパックを背中に敷いて寝ていました。持っているものをすべて着ないと眠れない状態。朝はシュラフカバーの内側は結露でベタベタでした。

日の長さ:特に後半戦苦労したのが日没。トレイルが見つからず迷っているうちに日没が迫り、キャンプ地につくのがだいたい18時ごろになっていました。ブランカ山群のベストシーズンは6月7月と聞きます。この時期だいたい6時頃明るくなり18時頃日が沈みます。荷物をできるだけ減らす場合ランタンやロウソクなどはできるだけ持っていかないでしょう。明るいうちに行動するためには朝早い行動が必至のようです。でも朝ってめっちゃ寒いんですよね。ヘコみます。


ロバなどの手配:ワラスでのトレッキング情報は「Casa de Gui'as」という場所で手に入れることができます。地図もここで購入可。ただし基本的にガイド斡旋の団体なので商売の話ベースで、欲しいアドバイスがもらえないことが多いかも。他のツアー会社よりはプロフェッショナルが揃っている程度にとらえた方がいいと思います。ここでロバをお願いするとロバ1日5USドル、ロバ使い(ワラスではよくDonkyDriverという英語を使います。スペイン語ではアリエロと言います)1日10ドル。アリエロのテントなどは不要ですが食事だけはこちらで用意することになっています。ちなみに、ガイドとアリエロの違いは……と聞くと「山の名前を知っているか知らないか」だそうです。アリエロでも道は知っているのでガイドまで雇う必要があるかというと、ガイドの質に大きく左右されることになるでしょう。

私たちはロバなしで行くつもりでしたが、ワルカヤンで国立公園係のウーゴに勧められ2日目だけロバに荷物を運んでもらうことにしました。1日1頭17ドル。アリエロ込み。チップも含めて私たちは60ソル払いました。今回はロバを頼む予定が無かったのでアリエロの食事を用意していない、という条件も込みでした。結局ウーゴは昼食も持たずにやってきてそのまま下山すると言ったので私たちはスニッカーズを1本お礼に渡して食べてもらいました(その日食べるはずだったけれどロバ&ウーゴのおかげで食べずにすんだので)。



地元の子供たち:トレイル途中、キャンプ地など牧民として暮らすインディヘナの人たちたくさん会います。町まで遠い場所ということもあって彼らはモノを欲しています。特に子供たちは遠くからその私たちの姿を認めると「カラメーロ(飴ちょうだーい)!」と走ってくるほど。少し大きくなると、ボールペン(ラピセーロと言います)や薬(メディシーナと言います。やはり胃にガスがたまったり頭痛がしたりするらしい)も欲しがります。私たちはどうすべきなんでしょう?彼らのために何もあげないのがいい、自分に余裕があれば分けるべき……いろんな考え方があると思います。小さい子供に安易に飴をあげるのは良くないでしょう。彼らは虫歯になっても医者もいなければ、医者に診せる現金もないのですから。だったら字を書きたくてしかたがない10歳の子供にはボールペンをあげたほうがいい?トレッキングに出かける前に自分なりの考えをまとめて出かけた方がいいかもしれません。実際かわいい子供達に「ちょーだーい!」とせがまれるとついつい何でもあげてしまいそうにりますから。そんな曖昧さが一番彼らにとっても良くないのではないかと思います。そして、彼らに何もあげないと決めたのであれば、断り方にはちょっと気を付けたほうがいいかも。彼らは「自分たちは貧しい。だから要求するのは当然」と思っている人が多いので、素っ気なく断るとこちらの思惑などお構いなしで、次は盗みに走ることも考えられるからです。幸いこのルートでは賊の話は聞きませんが、盗むことが悪いことと考えている人が少ないことも念頭に置いた方がいいと思います。


   ロバ
ロバ
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▼追加情報

・アウトドアグッズを買い足すなら
メンテナンスはどこまでされているか不明ですが、レンタルが充実しています。テント、シュラフ、ストーブなど一式借りることができます。Doite(チリのブランド)やNorthland(オーストリアだけどアルゼンチンでよく見る)がメイン。


・ペルーでのトレッキングでよく使うスペイン語
burro[ブロ:ロバ]
arriero[アリエロ:ロバを使う人]
sen~al[セニャール:目印]
gui'a[ギア:ガイド]
estomago[エストマゴ:胃]
cabeza[カベサ:頭]
dolor[ドロール:痛み]
altura[標高:アルトゥラ]
quebrada[ケブラーダ:谷]


・ちなみによく使うアウトドア・スペイン語は、
こちら⇒ 「旅の情報>大自然へ>パタゴニアトレッキング・ウシュアイア編」
にアップしてありますので見てみてくださいね。


・インディヘナの人たちはほとんどがケチュア語を話します。日常会話はケチュアで行われているみたい。少しでもケチュアが使えたら、彼らとのコミュニケーションも取りやすくなるかも。ただケチュアと一口に言っても地方によってさまざまな言い方があるそうなので、私たちが耳で聞いたケチュアだけ残します。

ケチュア語
yuspagarasunki[ディオス・パガラスンキ:ありがとう]
quilla[キジャ:月]
inti[インティ:太陽]
para[パラ:雨]
ari[アリー:はい]
manan[マナン:いいえ]
munay[美しい]

以下はカタカナにするのが難しいです。。
allin punchay[おはよう]
allillanchu[こんにちは]
jaku[行こう]
sinchi sumaj[おいしい]



・ワラス発のツアーについて
ワラス発ワスカラン国立公園を楽しむ1日ツアーがいくつか出ています。どこの旅行会社で頼んでもほとんど同じか現地でひとまとめにされます。質についてはあまり期待しない方がベター。

ユンガイYungay 1970年の大地震で2万人もの人がワスカランの雪崩で飲み込まれた町。この町は現在公園化(入場料別途要)されていて新しいユンガイの町は少し離れた安全な場所に移されています。だいたいヤンガヌコ湖laguna llanganucoの観光とセットになっています。天気が良ければ(特に朝の内)ワスカランの眺めが素晴らしいのでコレクティーボを使って個人で行った方が楽しめると思います。100円ぐらいで行けます。

ヤンガヌコ湖laguna llanganuco 人気のコース。私たちは行っていません。ここも一応トレッカーが利用するコレクティーボが走っているはず。


パストルリNevado de Pastoruri トレッカーでなくても氷河を楽しめるコース。私たちもついつい参加。9時30分ワラス発の8時間ツアー。移動が約2時間ずつ行き帰りに食事タイム約1時間ずつ、ということで、現地には2時間しかいられません。バス降り場から氷河まではさらに歩かないといけないので(早足で40分:馬を使うべき)時間がかなり厳しいツアーです。このあたりの珍しい植物Puya de Raymondiも見ることができます。旅行会社では防寒着やブーツを貸したがりますが、まったく必要なし。正価30ソルですがあっという間に20ソルまでは下がります。

チャビン・デ・ワンタルChavi'n de Huantar プレインカの宗教都市だったとか。

モンテレイ温泉Monterrey ワラスから5キロにある温泉。さび色ながらなかなかgood。温めと熱めと2種類のプール(3時間)、もしくは個室浴室利用(20分)で3ソル。トレッキング帰りに直行する人多し。真ん中のシャワーだけ温水です。石けん利用可。コレクティーボで簡単に行けます。




・ワラスの宿
アメリカ人などが多く訪れるだけあって数も種類も豊富よう。乾期の夜は冷えるので日当たりなども考えて決めた方が快適でしょう。


私たちが泊まった宿について詳しくは
こちら⇒ 「旅の情報>泊まった宿>パタゴニアからスタート!南米編」
にもアップしてあるので見てみてくださいね。ワラスでのおいしいお店もアップしています。


・インターネットは
私たちの泊まった宿のそばにラップトップ用に準備してあるネットカフェがあります。1時間1ソル。その隣はあのビクトルのギャラリーです。


   ペルーのカフェは濃縮タイプ。チリモヤアイスと一緒に
ペルーのカフェは濃縮タイプ。チリモヤアイスと一緒に
夜になると現れるホット薬草ドリンク屋さんのおじいちゃん。カリンのようなリキュールがベース。胃に効くとかで毎晩通いました
夜になると現れるホット薬草ドリンク屋さんのおじいちゃん。カリンのようなリキュールがベース。胃に効くとかで毎晩通いました
濃厚でおいしかったチリモヤ
濃厚でおいしかったチリモヤ
通いまくったPollo a la Braza(鳥の炭火焼き)の店
通いまくったPollo a la Braza(鳥の炭火焼き)の店
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※私たちの詳しい旅の様子は
「旅の日記>PART40 世界一美しい山を見に行こう[出発まで] 〜ペルー ブランカ山群その1」
「旅の日記>PART41 ほほぉこれがアルパマヨ[前半] 〜ペルー ブランカ山群その2」
「旅の日記>PART42 南米トレッキングの集大成だな[後半] 〜ペルー ブランカ山群その3」
でも見ることができます。


写真はこちらから見ることができます。
「旅の写真>PART40  ペルー ブランカ山群(パストゥルリ氷河、出会った花々)」
「旅の写真>PART41  ペルー ブランカ山群前半(アルパマヨ、サンタクルスなど)」
「旅の写真>PART42  ペルー ブランカ山群後半(ハンカ・パンパ、プンタ・ウニオンなど)」






[18]南部アフリカ レンタカーで動物観察
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