World Odyssey 地球一周旅行

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旅のアレコレ
旅の途中で感じたアレコレを、夫婦入り乱れてのコラム形式でお届けします。
「日記」には載せきれなかったネタもアレコレ登場しますヨ!





◆ちなみに私はグアダルーペ[千尋筆 2004.10.02]


メヒコはまだまだ男性と女性の役割がはっきりしている。

友達になった男性は、自分の赤ちゃんをだっこして街を歩いていると、みなに笑われるそうだ。「あいつは、男のクセに、子守をしているぞ」と。

反対に、女性が入れない場所がある。

Cantina(カンティーナ)と言って、いわゆる大衆酒場にあたる場所だ。基本的に24時間営業で入り口は木製の開き戸。カウボーイが「キィッ」と押して入っていくような、あのドアだ。

ここは、基本的に女性は入れない。入れるのは「商売」をする人(ほとんどがおばちゃん)だけだ。

ここ、サンミゲル・デ・アジェンデでは、2軒だけ女性OKのカンティーナがある。

初めてカンティーナに行った時のことだ。

当然、ハポネ(日本人)の女の子(まあ、一応若くも見えるし)が来ているということで、常連のおっちゃんどももワラワラと集まってくる。次々に話しかけられるのだが、当然、何を言っているかわからない。

店のマスターは片言の英語ができたのでしばらくしゃべっていた。

「お前の名前は、グアダルーペにしよう」

そう言うのだ。チヒロ・グアダルーペ。そう言ってみると、マスターはうんうん、いい響きだ、てな感じでとっても満足そうにしている。

自分の席に戻って、しばらくするとやっぱりオヤジたちが声をかけてきた。
たぶん、私の名前を聞いている。

「チヒロ・グアダルーペ!」

自信たっぷりに言ってみた。

オヤジは目ん玉が飛びださんばかりに驚いて、何やらどひゃーっと話してくる。
そうは言っても私はスペイン語がわからない。オヤジは余計混乱している。
スペイン語もわからないこのハポネが何でグアダルーペというのだ!てな感じなのだ。
まわりにいたオヤジたちにも、こいつはグアダルーペと言うそうな、なーんて言いふらしている。もちろん他のオヤジたちもえらい驚いている。

宿に帰って調べてみた。
グアダルーペとは、メヒカーナが篤く篤く信仰する現地の聖母だったのだ。
信心深いメヒカーナ、さぞかし驚いただろう。
日本語をまったく喋れない外人が「ワタシハ、ヨシナガサユリデス」なんてオヤジに言うようなものだろうか?いや、きっともっとスゴイことだったんだろう。
これは、悪いことをした……。

ちなみに、それから、何度かカンティーナに行っているが、やっぱり名前を聞かれると
「チヒロ・グアダルーペ」と言うようにしている。オヤジたちの驚きっぷりがおもしろくてどうしてもやめられないのだ。

カンティーナ セルベッサ
▼カンティーナの店内。手に持っているのはテカテという塩とライムを振って飲むセルベッサ(ビール)です。
だいたいどのセルベッサでも1本10ペソ(100円)。最初は、仲良く話してくるおっちゃんでも慣れてくると、
1杯おごれ、としつこく言ってくるそうな。早めに退散、がいいようで。


◆コスメルでのダイビング[淳二筆 2004.10.18]
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