World Odyssey 地球一周旅行

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旅の日記
見たもの、乗ったもの、食べたもの…たくさんの驚きを写真と一緒にお伝えします。



▼PART34 2005.04.10 未舗装路自転車旅行[淳二筆]
>>アルゼンチン ロス・アレルセス国立公園



ロス・アレルセス国立公園Parque Nacional Los Alerces(パルケ・ナシオナル・ロス・アレルセス)は、アルゼンチン側セントラルパタゴニアの中心地、エスキエルEsquel南西約40キロから始まる国立公園だ。広さは2,630平方キロ。設立は1,937年、南にあるロス・グラシアレス国立公園と同年になる。

この公園の特徴は公園名にも使われている、アレルスAlerce(カラマツ)の大木と、氷河の浸食作用で残されたいくつもの美しい湖にある。大きなもので北からリバダビア湖Lago Rivadavia(ラゴ・リバダビア)、メネンデス湖Lago Mene'ndez (ラゴ・メネンデス)があり、公園南入口に一番近いのがフタラウフケン湖Lago Ftalaufquen(ラゴ・フタラウフケン)で、そばには同名の村もある。湖はまるで手のひらを広げたように山の奥深くまで触手を延ばして複雑なフィヨルド地形を形作り、さらに奥には小さな湖をいくつも作りだしている。

公園入口からは、フタラウフケン湖の東側、ちょうど公園中央部を州道71号が走っている。実は国立公園は湖を挟んで西側にあたり、道路の走っている東側は国立保護区になっている。設備の整ったホテル、キャンプ場、そして公園側が用意した無料のキャンプ場まで、そのほとんどが、こうした国立保護区内に建てられているのだ。

そんな国立公園内部へトレッキングで出かけるという方法もひとつはあった。ロンプラにも紹介されている。だが「そろそろチャリンコにも乗りたいよなー」なんて言っていた私たちは、エスキエルの街でレンタルサイクルの店を見つけると、いてもたってもいられなくなってしまったのだ。

そうして自転車で出かけることになったロス・アレルセス国立公園への旅。今回は夫・淳ちゃんがお伝えします。[千尋]

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自転車で国立公園ロス・アレルセスまで行ってキャンプをしようという企画が持ち上がった。果たして20キロ前後のバックパックを背負って自転車で50キロもの距離を走れるだろうか。情報では道は整備されているということだったので、いくらか気楽ではあったが、それでも僕たちにはちょっとした挑戦だった。

走り出して1時間もしたら、さっそく荷物のせいで肩が痛くなってきた。トレッキングとは違う姿勢なので腰に負担もかかる。自転車の宿命尻痛も始まっている。サドルが異常に固いこと、荷物の重みがお尻に直接かかることは、尻痛をどんどん促進させていった。

嫌気がさしてきた頃、舗装路から未舗装路に変わる。「平気よ。問題ないわ。全部アスファルトの道よ」町のインフォメーションセンターのおばちゃんの言葉は大嘘だった。この未舗装路はちょうど山越えに差しかかっており、くねくねとどこまでも登り道が続いた。仕方なく自転車を降り、押すこと1時間。やっと下りに差しかかり、ふたたび乗り始めるのだが、深いジャリは自転車の大敵。おそるおそるブレーキをかけながら、慎重に下った。坂を下りきった時には、尻痛・肩痛・ブレーキの握りすぎによる手痛まで。全く楽しくない。しばらくして舗装路に変わった。あまりにも肩が痛いので、バックパックをハンドルとサドルの間のフレームに乗せてみた。漕ぎにくくてしかたがないが、何とか肩痛は解消。しかし尻痛はひどくなるばかり。力走7時間、何とか公園のキャンプ場に着いた。

翌日さらに先へと進む。公園内はすべて舗装路だという話だったが、これも大嘘。「ダートは3倍シンドイ」と自転車で旅行している友人が言っていたのを思い出した。未舗装路を走ること6時間。距離にして約35キロ。半分近くが登り坂だったので10キロは自転車を押して歩いているはず。やり遂げた感と景色には満足したが、今日も楽しい時間が極めて少ない1日だった。もっとこうスイスイ走りたかったのだが……。

最終日、テントに荷物を置いて身軽に出動。荷物がないことの快適なことといったら!「こりゃあいい!」とハイテンション。キャンプ場周辺には見どころが多くあっちこっちこいでまわった。3日目、最終日にして初の楽しい1日となった。18時30分、バスがキャンプ場近くに到着。バスの屋根に自転車を積んでもらい、バスに乗り込んだ。あのキツイ道のりを自転車で帰るつもりは毛頭無い。

今度はもっと軽快なツーリング計画を立てようと思う。街までのルートは僕たちが自転車でこいだ道とまったく同じだったので、見覚えのある場所を通り過ぎるたびに「あー、ここ!!」とつらかったことばかり思い出した。2日かけてこいだ道も、バスならわずか3時間足らず。街に戻り、いつもの「お疲れさま無事が何よりパーティー」を開催。ステーキとビールが疲れを癒してくれた。
[淳二]




▼サイクリング覚え書き


3/31 曇→雪→晴
Esquel → Villa Ftalaufquen(Camping Las Rocas) 45キロ 無料

4/1 晴
Villa Ftalaufquen(Camping Las Rocas) → Lago Verde 36キロ 無料
キャンプ場はCampingAgresteの方を利用。シーズンオフのため無料

4/2 晴
Lago Verde ⇔ Rio Arrayanes周辺を散策 5キロ
Lago Verde → Esquel まではバスを利用






エスキエル 自転車 パタゴニア
エスキエルからは州道71号を通って向かいます。パタゴニアっぽい景色ですよねー。朝から曇りがちで時折風に乗って雪が舞う天気。これが夏だったら、ものすごい強風なんだろうなあ……と想像してみたり。やっぱチャリダーにはなれない!と、このあたりですでにあきらめ気味。

エスキエル 自転車 パタゴニア
エスキエルと公園の間には大したことはないのですが、ちょっとした峠もあります。その区間だけはいまだ未舗装。そんな未舗装区間に入る前の様子。すでに重いバックパックのせいでグロッキー。

エスキエル 自転車 パタゴニア
少し雲が切れてくると、遠くの山々がスポットライトを浴びたように輝きます。こんな広々とした景色、すっかり見慣れましたが、実はめちゃくちゃ貴重ですよね。

エスキエル 自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
なんとか峠もクリアし、公園敷地内へ入りました。が、フタラウフケン村まではさらに約10キロの道のり。ついにバックパックは肩から降ろし、前のバーに置くはめに。この道沿いでは、地元の人が何人か野生の「ローズヒップ」を収穫しているところに出会いました。日本では高いんですよね。確か。

自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
2日目やっぱりダート(未舗装路)泣きながら進んでいるところ。途中でガウチョ(カウボーイ)ノ2人とすれ違いました。このあとなぜか牛の親子は、牛追い犬に逆上。犬を追いかけている牛なんて初めて見ました。

自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
下り坂ではやっぱり気持ちが良かった!かなりゴキゲンで下っている様子。「自転車にルンルン(古い)で乗る」というイメージのポーズなのですが、実際は足があまり開かず大変でした。柔軟体操サボってるしなあ……

自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
フタラウフケン湖のちょうど北端にあたるBahi'a Rosales(バヒア・ロサレス)でお昼にした時の様子。ここで半分だろうと思って、ゆっくりしていたのに甘かった!

自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
3日目の朝。Lago Verde(ラゴ・ベルデ)で、チリ式簡単釣りセットを持ち出し、ルアー釣りを始める淳ちゃん。これは、ねずみ色をしたよくある塩ビ管に釣り糸を巻き付けるだけの簡単なもの。管の中に、巻き取る際楽なように、管の直径にぴったりあった木の棒を渡しています。そして釣り糸の先にはルアー。これを右手で投げ縄のようにぶんぶん回し、えいやっと遠くに放り投げるのです。一度だけ魚がかかりかけた以外、残念ながらアタリは無し。。

自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
3日目、ようやく身軽になって初めて楽しんだサイクリング。これはRi'o Arrayanes(リオ・アラシャネス)へ向かって走っているところ。

自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
途中、アラシャネス川橋Pasarela Ri'o Arrayanes(パサレーラ・リオ・アラシャネス)という吊り橋を渡って、国立公園エリアに入っていった私たち。ラゴ・ベルデの対岸に出てさらに進むと、メネンデス湖に出ました。そして出会ったのがこの氷河。トレシーシャス氷河Glaziar Torrecillas(グラシアール・トレシーシャス)と言うそうです。14,000年前からある氷河というから、最後の氷河期の記憶もバッチリ残した氷河です。で、実はここ、自転車立ち入り禁止区域だったようで、このあと会ったレンジャーに注意されてしまいました。

自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
アラシャネス川橋Pasarela Ri'o Arrayanesから眺めたラゴ・ベルデ。日曜だったこともあってか、地元のフライフィッシャーたちが多く釣りをしていました。

自転車 パタゴニア ロス・アレルセス国立公園
そしてアラシャネス川。これはCamping Ri'o Arrayanes(キャンピング・リオ・アラシャネス)です。川底に泳ぐ魚がバッチリ見える恐ろしく透明度の高い川でした。




▼PART35 2005.04.11 ひとり旅の詳細[淳二筆]〜チリ イェルチョ氷河
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