World Odyssey 地球一周旅行

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旅の日記
見たもの、乗ったもの、食べたもの…たくさんの驚きを写真と一緒にお伝えします。



▼PART21 2004.11.23 恐怖!カバーニャの夜
>>ユカタン半島、トゥルム&コバ遺跡



朝ショップに行き、チアキさんたちとお別れをして、私たちはコスメル島をあとにした。次の目的地は、今朝、トゥルムに変更になった。

本当は、コスメル島のあと、Palenque(パレンケ)へ行く予定だった。
パレンケには世界遺産に登録された大きな遺跡がある。

もともと、テオティワカンの遺跡へ行きたかった私たちだ。でも、何だか急に興味を失い、素通りしてしまった。と言うのも、サンミゲル・デ・アジェンデで仲良くなった友達に「遺跡を楽しむなら、絶対にキャンプがオススメよ!」と勧められたからだ。



メヒコに入ってからの私たちは迷いに迷っていた。

「世界のいろんなものを見てみたい!」と単なる観光気分で日本を飛び立った私たちだ。ところがいざメヒコに入って旅本番!となると、たくさんの世界遺産や珍しい建物、おもしろい街……観光するターゲットはたくさんあるはずなのに、何だか手応えを感じない。

やばい。アラスカ・ユーコンを好きになりすぎた……。

私たちは、どちらともなく口にしてしまっていた。本当は言いたくなかった言葉だ。いや、言ってはいけない言葉だった。
極端な思い入れは、自分たちをがんじがらめにしてしまう。

私たちが楽しめるメヒコを探そう!そんな感じで、サンミゲル・デ・アジェンデのあとは、とにかく興味があったダイブ三昧の日々に突入してみたのだ。これはこれで楽しかった。経験も積めた。でも、何だかちょっと反則をしている気分だったのも事実だ。お金をたくさん使っている。

メヒコに来て遺跡を見ないなんて!

誰からもそう言われるだろう。ホームページを見てくれている人だって、きっと楽しみにしてくれているだろう。本末転倒かもしれないが、そんなことも考えてしまう。

せっかく旅本番と言われるメヒコに来て、バックパックを背負って歩いているのだ。遺跡へ行ったり、ガヤガヤうるさい安宿街で泊まったり、屋台のものを食べてお腹をこわしたりするものなんだろう。日本にいたら感じないことを肌で感じて人生観が変わったりするのかもしれない。

でも私たちは、なんだか、そんな旅をしていない。安いけど心地よい宿に長居をして、メルカド(市場)で買った野菜で自炊をしている。たまに屋台のタコスやトルタを食べるけれど、お腹をこわしたことは一度もないからネタにもならない。メヒコの印象にしたって、のんびりした幸せな国だなあ、と思うばかりで、物騒な貧しい国なんて印象がまったくない。人がうじゃうじゃといるような遺跡へも、何だか行きたくないなあ、と思ってしまうのだ。

そんな私たちに、サンミゲル・デ・アジェンデの友達はアドバイスしてくれたのだ。Chichen Itza(チチェン・イツァー)かパレンケ。どちらも遺跡のすぐ近くにキャンプ場があって、たっぷり遺跡を楽しむことができる。涼しい時間に見ることだって、真夜中に忍び込むことだって可能だ、と。街は近いし、水の心配もないから、気軽にキャンプできるよ、と教えてもらったのだ。

これはおもろいかもしれない!私たちは久しぶりにワクワクしていた。とりあえずコスメルに行って、それから遺跡のそばでテントを張ろう。お金は大してかからないから、楽しかったら長居したらいいさー!てな感じで、かなりイージーに期待しまくっていた。

そんなところで、コスメルでのダイブ合宿が終わり、いよいよパレンケに行こかー、としていた朝だった。掲示板にあったひとつの書き込み。淳ちゃんの友達、テルちゃんのメッセージだった。

「コバ遺跡がマジカルで良いらしいよ〜」

よし、行ってみよっ!
あっという間に決まった。遺跡好きじゃない、と公言している淳ちゃんはイマイチ乗り気ではなかったが、それでも少し期待しているのがわかる。他人(ヒト)の情報には、ホント弱い私たちなのだ。

Coba Ruinas(コバ遺跡)は、コスメル島からフェリーで戻った本土の街、プラヤ・デル・カルメンからバスで1時間ほど南下したトゥルムの近くにある。トゥルムにも遺跡があって、こちらはけっこう人気の場所だ。ジャングルで発展したマヤ文明が最後にたどり着いた場所、と言われていて、カリブ海と遺跡のコントラストがとても美しそうである。

そうして私たちは、トゥルム行きのバスに乗ったのだ。

トゥルムの情報は手元にあるガイドブックに1ページしか記載がなかった。遺跡の南500メートルのところに安宿街がある、とだけ書いてあるのでまずはその情報を頼りにTulum Ruinas(トゥルム・ルイナス/トゥルム遺跡)で降りることにした。

周りは何もない。海へと伸びる一本道。たぶんあの先がトゥルム遺跡なのだろう。どうしようもないので、客待ちしているタクシーにナンチャンが声をかける。安宿街まで連れて行ってくれることになった。50ペソ(約500円)らしい。高っ!プラヤ・デル・カルメンから1人20ペソのバスで来た私たちは、マジ驚く。でももうバスは行ってしまったから、タクシーを使うしかない。

タクシーはいったん南にある中心部(Tulum Puebloトゥルム・プエブロ[Tulum Centroトゥルム・セントロとも言う])へ向かって2キロほど走り、海の方へと方向を変えた。3キロほど走る。するとまた今度は方向を北に向け走り出す。トゥルム遺跡の南に行くにはこうやってぐるりと回り込むしか道がなかったのだ。そりゃ50ペソも取られるはずだ。それでも8キロだから、ちょっと高いと思うけど。

ガイドブックにあるとおり、トゥルム遺跡の南、海と平行に走る一本道沿いには宿が点在していた。どの宿にもCabana(本当はnの上に[〜]が付きます)(カバーニャ:直訳すると掘っ立て小屋の意)と言う言葉が付いている。運転手のおっちゃんは、ココが一番奥のカバーニャだよ、てな感じで私たちを降ろす。「Cabana El Mirador(カバーニャ・エル・ミラドール)」ペンキで大きく描いてある。目の前はサイダーブルーのカリブ海。めちゃめちゃキレイやないかーっ!さっそく私たちは大興奮だ。

部屋のチェックもそこそこに、私たちはこの宿に泊まることした。私たちの部屋にあたる小屋の中には簡素なベッドがひとつしか無いらしいし、シャワーは簡易水シャワーのみだという。でもせっかく50ペソも出してタクシーに乗ってココまで来たのだ。明日、トゥルムの遺跡をチラッと見て、また宿を変えたらええんちゃうん? そんな感じで私たちはタクシーを降りた。値段は1人80ペソ。この辺りにしたらまあまあ安い。

そろそろ日が暮れる。淳ちゃんとナンチャンは、ちょっと泳ぎたいわーと海に入っていった。私は着替えが面倒くさくなったので、2人の様子を遠くから眺めるだけにした。そういえば、電気がないなあ。今日は早く寝るか。それくらいしか考えていなかった。

……プーン。

耳元で不快な音がした。聞き覚えのあるあの音。
デナリで大量に聞いたあの音だ。

蚊がいる!

忘れていた。コスメル島ではあまり蚊がいなかったので、すっかり無防備だった。あっという間に何カ所も刺されてしまった。めちゃくちゃカユイ。

イヤな予感が頭をかすめながらも、虫除け薬を体中に塗る。そろそろ、ごはんにしよかー、と淳ちゃんたちが海から上がってきた。このカバーニャ・ミラドールにもレストランが付いているのだが、趣味の悪いサイケデリィック・トランスのような音楽がエンドレス&大音量でかかっているので、まったくくつろげそうにない。他のカバーニャのレストランに行ってみよう、と私たちは歩き始めた。

満点の星空だ。星が細かい。真っ暗闇のジャングルにたった一本走る道をお散歩気分で歩く。隣のカバーニャにあるレストランは静かで落ち着いていた。ヒッピー風の白人が多いのがちょっと気になったけど、ごはんを食べるだけなのだから問題ない。40ペソ(約400円)とちょっと観光地価格の夕食を頼む。セルベッサ(ビール)を飲みたいから、鶏のプレートは2人で1つ。トルティージャをお代わりすればお腹がいっぱいになるから、外食する時は私たち、けっこう2人で1人前で済ませてしまう。セコイけど。

そうして宿に戻る。カバーニャ・ミラドール。私たちの小屋、15番に戻った。もちろん電気がないから真っ暗だ。部屋の真ん中には湿ったベッドがひとつだけ。3人で1棟借りたので、ナンチャンには床に敷いたシュラフマットの上で寝てもらうことにする。キャンプだったら気にならないはずなのに、宿というだけでとたんに不便に感じてしまう。シャワーももう浴びに行けない。歯を磨くにもトイレに行くにもけっこう遠い。少しだけ残っていたロウソクも終わってしまった。しゃーないから寝ることにした。

……暑っ。

そういえばファンも付いていないから暑いはずだ。さすがに不用心なので、ドアを開けっ放しにして寝るわけにもいかない。壁のすき間はスカスカだが風が入ってくるほどではない。

できるだけ薄着で寝てみる。


……プゥワァーン。

今度は蚊だ。そうだった。蚊が多いんだった。

虫除け薬を塗り、日本から持ってきた貴重な蚊取り線香に火を付ける。今度こそお休みー、と私たちは寝転がった。

……プゥワァーン。

やっと眠りについたと思ったら、また蚊の音だ。

蚊取り線香が湿気ているのと、持ち歩いて粉々になっているせいで、スグ消えてしまうのだ。淳ちゃんがゴソゴソと起き、火をつけてくれる。

そんなことを何度繰り返しただろうか。24時まで大音量の悪趣味な(しかもよく途切れる!)音楽が鳴り続き、耳元では蚊がウワァンウワァン飛びかい、蒸し暑いのに狭い小屋の中で無理矢理寝ようとしている私たち。蚊取り線香はスグ切れるし、虫除け薬を塗ったって足の小指とか耳のウラとか、ムカつく場所に蚊は猛攻撃を仕掛けてくる。こんなんなら、目の前でテントを張っていたあの白人カップルの方がよっぽどマシだろう。テントなら暑いのを我慢するだけでいい。

誰にムカついているのかよくわからないまま、朝がきた。こんな宿に喜んで泊まる白人バックパッカー達なのか、もっと快適に整備しない経営者なのか、しつこく襲ってくる蚊なのか、ココに泊まろうと言った淳ちゃんとナンチャンになのか。本当にわからないけど、眠れないし暑いしカユイし耳元でうるさいし、本当に腹が立っていた。

壁のすき間から少しだけ涼しい空気が入ってきた。何だかやっと心地よくなってきて、すぅっと眠気が襲ってくる。たぶん、淳ちゃんもナンチャンも同じだったろう。蚊の攻撃も減っていた。

目が覚めたら蒸し暑かった。早起きしてトゥルム遺跡に行き、しばらく遊んだら戻ってきて、12時のチェックアウトに間に合わせよう。そういう計画だったのにもう9時だ。それでもお腹はペコペコなので、ミラドールのレストランでデサジュノ(朝ご飯)を頼む。

宿を出たのは10時前だった。遺跡までは歩いて15分ほど。そろそろカンクンなどの観光地から日帰りでやってくる観光客も到着してしまう時間だ。急がなくては。

思った通り、トゥルム遺跡の前は人混みだった。入場チケットを買うだけで大行列。15分ほど待たされる。遺跡の中も、大変な人だった。しかも、すでにめちゃくちゃ暑い。

こりゃたまらん!と私たちは見学もそこそこにビーチに向かった。ここ、トゥルム遺跡にはビーチがあって、遺跡を眺めながら海水浴ができる。

ビーチも人で埋まっていた。荷物を置く場所も無い。12時には宿に帰らなくてはいけないから、私たちはとにかく海に入る。気持ちいい〜。

まさにサイダーブルーのカリブ海。細かい白砂が足の裏にキュッと締まって心地良い。魚はいないけれど、ジャブジャブ遊ぶには気持ちのいい海だ。

「さっ。帰るよ〜」

遺跡に興味のない淳ちゃんは、あっという間に遺跡見学を終了にしてしまった。時間は11時。こんなものか。

ま、人は多いけどさすがに海はキレイやな。そんな批評をしながらトゥルム遺跡をあとにし、カバーニャ・ミラドールへ戻る。慌ててシャワーを浴び滑り込みでチェックアウトを済ませた。私たちはカバーニャで遊ぶには準備不足だった。快適に過ごすためのグッズがいくつかあれば、もっと楽しく夜を遊べただろう。そう思いつつ、もうカバーニャはお腹いっぱい。タクシーでトゥルム・プエブロまで戻る。

タクシーのおっちゃんに安い宿を紹介してもらい、落ち着く。プエブロのバスターミナルとスーパーマーケットのちょうど中間。Hotel Chilam Balam(オテル・チラン・バラン)だ。連泊すると割引する、というので私たちは2泊することにした。2泊・3人で450ペソ(約4,500円)。まあまあだ。

適当だったシャワーも浴び直し、近くのポジョ屋(鶏を炭で丸焼きにしているお店。店内食と持ち帰りとある)で夕食を取る。30ペソ(約300円)で鶏半分。コールスロー風のサラダとトルティージャはお代わりし放題。おまけにトマトソースで薄く味付けした米も付いている。また2人で1皿オーダーする。

明日はコバ遺跡だ。早起きして7時のバスに乗るつもりだ。遺跡見学をあまり好きになれないのは人が多いせいなら、明日行くコバ遺跡は好きになれるかもしれない。あまり聞いたことがないし、何てったってマジカルな場所なのだ。何がどうマジカルなのか、かなり気になる。カナダ・クイーンシャーロット諸島で感じた島パワーのようなものかしらん?私は勝手に想像をふくらませている。

やっぱり蒸し暑いユカタンの夜だが、ファンのおかげで快適に眠ることができた。翌朝は5時30分起き。予定通り7時のバスに乗る。地元の通勤バスのようだ。コバには8時過ぎに着く。

遺跡の入り口までは15分ほど。湖のそばを歩く。誰もいない。これはいい。入り口で入場料を払い、中に入る。しばらく歩くと自転車レンタルと自転車タクシーの店が出てきた。どうやら、遺跡内が相当広いので自転車がいるらしい。私たちも、ボロボロのマウテンバイクを借りてまわることにした。1台25ペソ(約250円)。めちゃくちゃ乗りにくい。でも久しぶりの自転車にちょっとウキウキする。

コバ遺跡は4世紀〜7世紀あたりのものらしい。チチェン・イツァーとはマヤ道という道で結ばれていて、私たちがトゥルムから真っすぐやってきた道もその延長線上にあるらしい。一番の見どころは、ユカタン半島一高いピラミッドがあることだろう。他の遺跡のことはわからないが、保存状態が良いとは言えなさそうだ。

道なりに奥へ進むとピラミッドが現れた。デカイ。暑そうやけど登ってみることにする。ユカタン一高いピラミッドなのだ。昔、マヤの人々がどんな景色を見ていたのか興味がある。

汗だくになって登ったてっぺんからは、ジャングルの海が一望できた。このずっと先にチチェン・イツァーもあるのだろう。ちょっと残念なのは、高圧電線が見えていることだ。勝手な感想だけれど。

汗がひくのを待って、ピラミッドを降りることにした。そろそろ、人が増えだしている。自転車タクシーに乗ったぽっちゃりめの白人たちがどどっと押し寄せる。あの人たちも、ピラミッドに登るんだろうか?いらんお世話だが、気になってしまう。

ワサワサと人が増えてきたので出ることにした。もうひとつの目玉、大きなセノーテ (この辺りは石灰岩質の土地で水が地下の空洞に溜まるそう。その空洞が陥没してできた丸い池がセノーテと呼ばれています。マヤの人々は神との交流にセノーテを使っていて、干ばつや疫病などが流行すると、生け贄や財宝をセノーテに投げ入れていたのです。聖なる泉・セノーテでのシュノーケルやダイビングツアーもあって欧米人に人気ですが、私はちょっとパス。大丈夫なセノーテもある、と言われますが、あまりこういうエリアに興味本位で入りたくないなーというのが正直なところです。タタリとかあったら恐いじゃないですか!) は見つけることができなかった。私たちはセノーテにちょっと恐れを抱いているので、深く追求せずに遺跡を出る。

そうだった。マジカルだった。出てから思い出すがもう遅い。確か、湖のそば、だったはずだからセノーテを真剣に探さないといけなかったのかもしれない。でも、もう蒸し暑くて蒸し暑くてドロドロだったし、やっぱり人が多いし、で、もう戻る気にはなれなかった。

あかんなー、あたし達。。。

ちょっとおもしろかったけど、遺跡見学はこれでもう良いかな、と思ってしまった。パレンケはどうなるねん、と言うところだが、ヤバイ。またもや急速に興味を失いつつある。知識がないのも大きいだろう。日本の寺社仏閣ならもう少し楽しめるはずだからだ。

「な、言ったとおりやろー。オレ、遺跡でええと思ったん、アンコールワットだけやもん」

淳ちゃんが得意げに言う。ユカタン一高いピラミッドは誰もいなくてなかなかおもしろかったようだが、この後、遺跡を目指して旅行する気にはならないらしい。残念だけど、私も同じのようだ。

何だか自分たちがダメな旅行者に思えてくる。「良い旅行者」てのがあるとも思えないのだが、楽しむ能力が欠けているんじゃないかと思ってしまうのだ。でも、そもそも「旅本番」って、何なんだろう?私たちのアラスカ・ユーコンでの3ヶ月は旅じゃなかったと言うのだろうか。

いや。あれも旅だ。間違いない。

遺跡見学がそれなりにしか楽しめないのは、仕方がない。それが私たちなのだ。じゃあ、私たちの旅って、どうなるんだろう?ヤバイ。なかなか答えの出なさそうな疑問が湧いてきてしまった。この調子だとしばらくウジウジするだろう。日本を出て4ヶ月。ま、そろそろこんな風に考えるのもいいかもしれない。とりあえず、さっきの疑問は置いておいて、コバのバス停に戻ることにする。

時間は10時45分。バスは10時30分に出たばかりだった。次のバスは15時30分。げっ。しまった……。朝は寝ぼけてたから、帰りのことまで何も考えていなかった……。

仕方がないので15時30分まで、ぼおっとしてみることにする。蒸し暑いからそれも難しい。タクシーのおっちゃんが声をかけてきてくれた。トゥルムまで200ペソ(約2,000円)だという。ちょっと高い。おっちゃんに100ペソ(約1,000円)で帰ってくれと交渉するが、さすがに無理なようだ。交渉決裂。

それでもお互いに諦めがつかない。私たちだってトゥルムに早く帰りたいのだ。おっちゃんだって今日は客が来ないかもしれない。

どちらともなくまた目をあわせて交渉する。ふっ。私たちの方が上手と見た。

結局150ペソ(約1,500円)で手を打った。どっちが勝ちでもなかった。これでいい。少し高いお昼ごはんをコバで食べると考えたら、大して変わらへんよなー!タクシーに乗る時いつも考える言い訳をまたもや口にしながら、私たちはトゥルムに戻った。

そうやって私たちのマヤ・遺跡見学は終わった。結局、パレンケには行かないことにしてしまった。とりあえず見ておこか、が、何だかできなかったのだ。

おまけにちょっとした課題ができてしまった。
「私たちの旅って?」
サンミゲル・デ・アジェンデから、何となく気づいていたはずだけれど、深く考えないようにしていた。でも、もう正面から向き合わないといけないのかもしれない。

そんなことを考えながら、またポジョ屋にいる私たち。夕食に2人で1人前の鶏焼きを食べる。

宿に戻るとナンチャンが風邪をひいた、と言う。マジカルはここにやってきたのかもしれない。

結局、ナンチャンは3日間寝込んでしまった。





▼トゥルム滞在 覚え書き

・カバーニャは私たちが泊まったミラドールを北端にして、海沿いに約8キロ点在しています。価格は80ペソ程度がボトムのよう。施設の整った高級カバーニャや、ハンモックを貸してくれるカバーニャなどなど、それぞれ特色があるので好みと予算で選べそうです。とにかくどのカバーニャも絶景です。


・格安カバーニャに泊まるなら、蚊取り線香とロウソクは必携。ハンモックや蚊帳があればなお快適。高くてまずいレストランもむかつくので食料もそこそこ調達してから行くのがベストでしょう。コスメル島でもお世話になったスーパー・サンフランシスコはコバへ向かう道との交差点にあります。


・プエブロの方で宿を探すなら、チラン・バランあたりがやっぱりボトムっぽいです。チラン・バラン向かいのL'HOTELITOは、値段もそこそこで雰囲気もちょっと良さそうでした。


・安く外食するならやっぱりポジョ屋。大人数ならペスカド屋(魚屋)もいけるかも。3人でつついて食べるくらいの熱帯魚を70ペソ程度でカラッと丸揚げなどにしてくれます。ひとり80ー100ペソ程度、と私たちにはちょっと予算外だったけれどいつもにぎわっていたのがEmilo's Fusion Kitchen。オープンキッチンでおいしそうなにおいがいつも通りまで漂ってきていました。欧米人観光客が意外に多い街なのでこういったレストランが流行るのかも。


・セノーテに興味があれば。プエブロでは数軒、セノーテダイブを行っているショップをみかけました。旅行代理店でも取り扱っているみたいです。トゥルムのすぐ北にはHidden Worldsというセノーテパークもあって、ダイビングやシュノーケルなどができるようです。ちょっとだけ興味ありましたが、やっぱりパス。どうも気が進まないのでやめました。
http://www.hiddenworlds.com.mx




▼コバ滞在 覚え書き

・コバ遺跡に向かうなら、トゥルムに滞在するほかに、チチェン・イツァーとの中間地Valladolid(バジャドリ)に泊まるという手もあります。ここにはホステルがあるよう。なかなか快適そうですよ、ココ。
http://www.hostellingmexico.com


・私たちも現地の看板を見て知ったのですが、どうやらClub Medのビラがコバにあるようです。日本のClub Medでは扱いがなさそうですが、予算のある方はコバ滞在もいいかもしれません。
http://www.clubmedvillas.com/coba/indexen.php?villa=coba






[今回使った足と宿]

▼蚊の大群と蒸し暑さに悩まされたカバーニャ

カバーニャ・エル・ミラドール
cabanas el mirador (本当はnの上に[〜]が付きます)


▼カバーニャを逃げ出し泊まったプエブロの宿

オテル・チラン・バラン
Hotel Chilam Balam


メキシコ プラヤ・デル・カルメン
プラヤ・デル・カルメンのフェリー乗り場。すぐ隣がビーチになっています。めちゃめちゃ海きれいですよね!

 
メキシコ カバーニャ
車を降りてまず目に飛び込んだ景色。ひょーっ!めっちゃきれい!

 
メキシコ カバーニャ
下におりていくと、こんな風に各棟並んでいます。砂に埋もれているように建っているのでちょっと風通しが悪いんです。

 
メキシコ カバーニャ 部屋
で、部屋はこんな感じ。右にあるのがベッド。床はコンクリート打ちっ放し。プラスティックの椅子2脚置いてあります。ベッドの影に隠れているのはナンチャンです。

 
メキシコ カバーニャ 海
で、棟のスグ目の前はこんなビーチ。泳ぐ泳ぐ!ってかんじですよね。このまま右手へ泳いでいくとトゥルム遺跡のビーチ。1ヶ所プチ岬があって波があるのですが、泳ぎに自信のある人ならタダでトゥルム遺跡に入れると思います。ひとりいました。無理矢理荷物を頭に抱えて泳いでる白人が。

 
メキシコ カバーニャ トイレ
ちょっと離れたトイレとシャワー棟。シャワーは自分でヒモを引っ張った時だけ水が出るシンプルなもの。水場だけあってここが一番蚊が多い!!あっという間にヤツらの餌食です。

 
メキシコ カバーニャ レストラン
趣味の悪い音楽がかかるレストラン。朝は普通でした。何だかリッチな朝ご飯食べているようですが、私たちが頼んだデサジュノ10ペソはトーストだけだったのに、店員が間違えて豪華朝ご飯セット(フレッシュジュース、スクランブルエッグ、トースト、トルティージャ、etc…)を持ってきたので食べちゃっただけです。もちろん会計は10ペソのみ。「食べていたじゃないか!」と突っ込まれましたが、却下。

 
メキシコ カバーニャ 風景
レストランからの眺め。うーん。しつこいけど景色だけはホントいいんですよ。ここ。

 
メキシコ トゥルム遺跡 エル・カスティージョ
トゥルム遺跡です。入場料38ペソ。遺跡の中心にあたる、エル・カスティージョ。お城ですね。10時を過ぎているので暑い暑い!

 
メキシコ トゥルム遺跡 海
見学もそこそこに、さっそくビーチへ。泳ぎにくるだけでも楽しい場所です。魚はいないけど。

 
メキシコ トゥルム遺跡 ビーチ
いやいや、お見苦しいところをお見せします。どうやらめちゃくちゃ気持ちいいみたいですね、私。

 
メキシコ プエブロ ポジョ屋 鶏
プエブロのポジョ屋。ニンニクがたっぷり効いていて激ウマ。

 
メキシコ コバ遺跡 ピラミッド
最初に現れるピラミッド。Grupo Coba(コバ・グループ)。9面体構造をしていて、高さ24メートル。教会の役割をしていたそうです。

 
メキシコ コバ遺跡 犬
そこにいた、あほイヌ。そんなスグに降参しちゃいけませんっ!

 
メキシコ コバ遺跡 球技場跡
そのあと現れる球技場跡Fuego de Pelota。球技は遊びというより宗教的儀式だったようです。この穴にボールを通すようで。けっこう難しそう。このリングは復元されたもののよう。

 
メキシコ コバ遺跡 自転車
このあと、自転車タクシーと自転車レンタル屋がありました。各遺跡が片道1〜2キロ離れているので歩くとなるとけっこう大変そう。暗くてジメジメしたジャングルの中を進みます。

 
メキシコ コバ遺跡 修復作業 レリーフ
修復作業中の遺跡もあります。これは真ん中のレリーフを外しているところ。年輩の学者っぽい女性が、おもむろにレリーフにキスをしたあと、剥離作業がはじまりました。みんな超慎重。大きな声を出して慎重に、慎重に作業を進めます。というか、全然進まないんですね。で、上の引っ張っている人たちの限界がきたのでしょう。オーライ、オーライ!あっ、でも、もうダメ。重い……。てな感じ。最後は上の人間があっさり手を離してしまって、このレリーフは地面に叩きつけられてしまったのです。。。あかんやん。。

 
メキシコ ユカタン半島 ピラミッド
ユカタン一高いピラミッドGrupo Nohoch Mul(ノオチムル・グループ)。7面体構造で、高さ42メートル。NohchとはBig、MulはMoundという意味らしくマヤ語で「大きい塚」ってことですね。そういえば、修復作業している人たちの中にはマヤ語を話す人が何人かいました。さすがにデカイので格好イイですよね。

 
メキシコ ピラミッド
このピラミッドは登れます。石が小さいので登りにくい!けっこう恐いです。真ん中にあるロープが頼り。

 
メキシコ ピラミッド 頂上
てっぺんはこんな感じ。ずーっとジャングル。この左手約100キロ先にはチチェン・イツァーがあるはず。手前にコバ遺跡のどれかの頭がぽっこり出ています。かわいい。

 
メキシコ ピラミッド レリーフ
てっぺんには建物も。人が逆さまになったようなレリーフも残されています。

 
メキシコ ピラミッド
ところが、降りる方がもっと恐かった!2人はすたすた降りていきますが、私はずっとお尻をつけたままそろそろと降りるしかありませんでした。

 
メキシコ ピラミッド
もうひとつピラミッド。この辺りからだんだん蒸し暑さに負けだしているようで、名前とか全部覚えていません。ごめんなさい。。




▼PART22 2004.11.25 乗馬デビューは超スパルタ! 〜サンクリストバル・デ・ラスカサス
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